人類よ、ヤマシタトモコの『HER』を読め
わたし、生まれも育ちも一応女の子。
そして、服にお金をかけていなくはない方だと思ってます。
ですが、所謂女性ファッション誌を一度も買ったことがありません。
こんなのとか、
こんなのとか、周りが買っているのを見たことがあります。わたしも、他の女性ファッション誌に比べたらこの辺が自分の好みに合っているのではないかなと思います。他の雑誌に比べたら、です。なので、中身を見てみても、載ってる服が欲しい!とか、そういう感情が湧かないので買おうと思いません。
そんなわたしがある雑誌を見たとき、「これかわいい」「いいなあ~」という感情が湧きました。欲しくなるようなアイテムが載っていたんです。miniやmerを眺めているときよりもわくわくしました。
それはUOMOでした。
いや、ディーン・フジオカが欲しいとかそういう話じゃないです。
うしろシティのページが見たくて開いたんです。男性ファッション誌って初めて見たんですけど、女性誌を見るより楽しいかもしれないです。
30代後半から40代の「アラフォー」男性を対象としている。
いや、わたし、仮にも現役JDなんですけど、20代女性なんですけど、対象に一つも当てはまってないんですけど。
そういえば、中学生くらいの頃から、男性の服を真似したいと思って服を買っています。
ファッションのイマジネーションは大体男性から得ます。
男性も着るようなアイテムを可愛く着こなしたいのです。
最近は、バンドカラーのシャツが気になっています。レディースの服屋さんではなかなか見つかりませんが……
ただ、こういう感情というのはあまり理解してもらえるものではないと思っています。前述の通りなので、スカートは穿きません。スカートよりもズボンが好きなので穿かないのですが、その話をしても理解してもらえることはなく、「全然出しても大丈夫だよ~!」と脚にコンプレックスがあるから穿かないと思われたり(コンプレックスがないことはないが、それは直接的な理由ではない)、''一歩踏み出せない女子''のような扱いをされてしまいます。
わたしも、わたしを理解できない友達の、女の子らしい服装を見て劣等感を覚えたりします。
どうして一般的な女子の感覚を持ち合わせていないのか、一般的な女子の感覚を持っていればどれだけ楽か、だけど、持ってないわたしをわたしが嫌いじゃなくて、きっと好きで、でも苦しいから嫌いになるときもある。
彼氏も、特段欲しい訳じゃないけれど、もし誰かに愛してもらうには女の子らしい服装を求められるのかと思うと、それは苦しい。
自然とスカート好きになるよって言われると、そうならなければいけないと言われているようで、わたしはそうなりたいとは別に思わない。
わたしの好きな服を着てちゃいけないのか、好きな服を着させてくれ。
そんなわたしの気持ちを、すべて代弁してくれているのが、ヤマシタトモコの『HER』です。
CASE1の井出さん、服の趣味は違うけど、わたしかと思いました。
きっと、井出さんにはそこまで共感できないけど、花河さんわかる~っていう人もいるんだろうな。
いろんな女の子に読んでほしい。一般的な女の子には見えていない女の子がいるということ、わたしが一般的な女の子だと思っている子も、一般的な女の子になりたくてもがいてるかもしれないということ。もがく必要があるかは別として。
そして、女子はアボカドとパンケーキ与えれば懐くと思ってるそこの男、あなたにもまた読んでほしい。
女子にも男子にも、全人類に読んで欲しいのです。脳内の人間の種類のデータの幅を、広げてほしいのです。
人類よ、ヤマシタトモコの『HER』を読め。